長時間の作業でも品質の変わらない凍結切片
連続切片の作製や、しわがない in-situ ハイブリダイゼーション (ISH)用の切片作製など、リサーチ用の標本作製には 長い時間を要しがちです。 CM3050S のチャンバーは開口部の高さが84cmと低く設計されているため、椅子に腰かけてデスクで作業する感覚で操作することができます。
ヒートエクストラクターを備えた、アクティブ冷却式の急速凍結ステーション (-45℃)により、 きわめて迅速に試料を凍結することができます。同時に真空断熱パネルには高効率な断熱素材が使用されているため、 通常の断熱システムと比較して約10% の節電が可能、凍結システムの耐久性も向上しており、設置場所の環境条件が不利な場合であっても、 安定した凍結チャンバー内温度が確保されます。
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快適で効率的、再現性のある薄切と冷却
- 快適な座り心地:
ライカ CM3050Sは人間工学に基づいて設計されており、低めのワーキングスペースとヒザ周りの空間によって、座って両足を床につけながら、快適で安定した姿勢を取りやすくします。終日作業する場合にこのような条件は欠かせません。 - 整理されたワークスペース:
大型の凍結チャンバー内の凍結ステージ、用具トレイ、およびクリオスタット上部にあって手が届きやすいスペースはワークスペースの整理に最適です。重要なアイテムが手元にあることで、より切片作製に集中できます。 - 精密なセクショニング:
大きな試料の場合は特に、試料の正確なオリエンテーションと送り量が重要です。ゼロ位置機能を備えた精密な試料オリエンテーションは、最大 8°の x/y 調整が可能です。また25mm の水平送りにより、再現性高く薄い切片が作製できます。 - 効果的な冷却:
効率的な断熱材と専用の冷却システムが、たとえ終日切片を作製をしても凍結チャンバー内の温度を安定して保てるようサポートします。
自動のセクショニング・カウンター
切片厚の集計とカウンター機能によって、大きな試料でもカウントを見失いません。リバース・カウンターを用いれば、 事前に選択した数の切片をセクショニングモードでもトリミングモードでも作製できます。
最適化された作業環境
電動セクショニングはフットペダルでの操作が可能で、セクショニングの際に両手を自由にしておくことができます。またブレードホルダーCEを使用すると、 水平な領域と共に横移動が可能になるため、ブレードの全長を薄切に用いることができます。
再現性の高い冷却機能
オブジェクトヘッドの専用冷却システムによって、試料に対する効率的で再現性の高い温度コントロールを実現。脳や脂肪組織などの難しい試料にも対応できます。
ライカ CM3050S の製品仕様
ミクロトーム | |
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切片厚設定 | 0.5~300μm |
最大試料サイズ | 40mm × 55mm |
試料総送り量 | 25mm |
垂直試料移動量 | 59mm |
試料リトラクション | 50μm |
試料オリエンテーション | 8°(x/y軸)、360°回転(z軸) |
トリミング | 5~150μm ±0.5μm 5、10、30、50、 100、150μm 刻み |
電動粗送り (2段階の速度設定) |
500μm/s 1.000μm/s |
モータードライブ(Ⅱ・Ⅳ型) | |
セクショニング速度 | 0.1mm/s~170mm/s 0.1mm/s~100mm/s Vmax 210mm/s |
凍結チャンバーの冷却 | |
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温度設定範囲 | 0℃~-40℃ |
霜取り | プログラム可能、24時間に1回、またはホットガスによる手動霜取り |
凍結ステーション温度 | 約-45℃(室温22℃の場合) |
試料冷却(Ⅲ・Ⅳ型) | |
温度設定範囲 | -10℃~-50℃(+ / -3K) |
霜取り | ホットガスによる自動霜取り |
凍結チャンバー | |
寸法(W/D/H) | 882×766×1040mm |
重量 | 約180kg(ミクロトームを含む) |
消費電力 | 100V(50/60Hz)、1800VA |
クリオスタットによる標本作製のコツ
適した機器による工夫と使用法により、一貫性のある高品質な試料切片の作製技術が誰にでも短期間で習得することがでます。
当社機器を用いた、質の高い試料作製の工程を解説を交えながらお見せいたします。
クリオスタットによる凍結切片例
ライカのCM3050SⅣは凍結標本作製において、完成された装置として長きにわたり多くのお客さまにご愛顧いただいております。 クリオスタット庫内の冷却のみならず試料冷却機能が搭載されていることがサンプルの温度管理に有効です。 組成に応じて活用いただくことで、サンプルの硬さ調整が可能となり、植物、昆虫、動物、食品など様々な凍結標本作製にご利用いただけます。
マウス5日齢・ホールボディー
- チャンバー温度:-18℃
- 試料温度:-18℃
- Leica 818A ブレードを使用
- 薄切厚:5~7μm
- ヘマトキシリン・エオジン染色
ラット大腿骨・脛骨
- チャンバー温度:-20℃
- 試料温度-20℃
- Leica TC-65(タングステンカーバイト製)ブレードを使用
- 薄切厚:5μm
- トルイジンブルー染色
ゆで卵
- チャンバー温度:-20℃
- 試料温度:-20℃
- Leica 818A ブレードを使用
- 薄切厚:8μm
- トルイジンブルー染色
- 卵黄と卵白の境目がはっきり観察できる
ニンジン
- チャンバー温度:-18℃
- 試料温度-18℃
- Leica 818A ブレードを使用
- 薄切厚:8μm
- トルイジンブルー染色
ショウジョウバエ
- 1%tween20加3%CMCにショウジョウバエを馴染ませる
- 薄切方向を決めて並べる
- 3%CMCを追加し、ドライアイス・ヘキサン(-75℃)にて凍結
- 包埋ブロックを作製する
- チャンバー温度:-20℃
- 試料温度:-20℃
- Leica 818A ブレードを使用
- 薄切厚:5μm
- トルイジンブルー染色